デジタル撮影について思うこと
8月から9月にかけて魅力ある様々な商品を撮影する機会に恵まれ、暑さもわすれ取り組んでまいりました。まだしばらくはこの状態が続きそうですが、毎日撮影する中で感覚がマンネリ化することを警戒しつつも、撮影を楽しむという気持ちも甦ってきたわけです。学生時代のそれとは別物ですが、修業時代に感じた写真に対する感情に近いもののような気がします。そんなわけでこのコーナーもしばらく更新できずじまいでしたが、久しぶりの写真に対する純情をお伝えできたらと書き始めたしだいです。
使っているデジタル機材は、フェーズワンですがこれに付属するキャプチャーワンというソフトはこまめに更新されていて、同じようなものと比べると現像された画像の質は十分満足に値するものです。ファイルの出来方に若干の複雑さも見受けられますが、最新バージョンでは改良されつつあるようです。初期にみられた簡便さも思い出して欲しいところですが。
さてデジタル写真が主流だと言われてずいぶんと月日が経っていますが、実際にはどんな様子なのでしょうか。
デジタル写真はどーなの?
この疑問は実はプロの世界でも通用する問題で、実際どーなのと言う思いを持たれているカメラマンも多いことでしょうし、デジタル写真の使い方にも、様々な方向があるようです。
機材にも同様な多様性を見いだすことが出来ますし、プロの色々な分野の中で様々な機材が存在することも事実です。
ここでは、ポスター・カタログなどのコマーシャル写真に特化してお話ししたいと思います。
なんと言ってもデジタル写真の(フィルムがデジタル化したとお考えください)最大の長所は、必要不可欠なお客さまの確認行為に対する時間の節約があげられるでしょう。ポラ(FP100Cでも結構です)待ちの3分間が節約できます。一枚で3分、10枚で30分、当たり前ですが100枚で300分!
一つの仕事で100枚ぐらいポラを切ることもあるでしょう。それに掛かる時間は5時間。ただ5時間なんにもしないで待つのですよ!私たちカメラマンは一体人生でどれぐらいポラ待ち時間を浪費したのでしょう、これがなくなった。もっと言えばデジタルでは、シャッターを切ってお客様に画面を確認して頂いて、OKであればその時点で撮影終了です。今までのようにポラを確認して頂くときに「どこが変わったのか判りませんね」というようなコメントも聞くことが出来ません。なぜなら、瞬時の切り替えで撮影した写真を確認できるからです。写真画面を交互に切り替えることで、微細な部分の違いも一目瞭然です。今までのように、お客さまの為にポラの露出を変えてわかりやすく明るめに撮影してから確認して頂くきその後元に戻してから本番撮影に入る等ということも、もうありません。実にタイムリーにシャッタを切ることが出来るし、お客さまに確認して頂いた時点ですべて終了。確認後にさらに本番撮影をする必要もありません。料理写真などでは、実に有効ですね。
つぎに、実はフィルム写真よりも鮮明です。
というのも今まではフィルムで撮影したものを最終段階でスキャンニングしてデジタルデーターとして保存していました。デジタルカメラでは撮影したものはそのままデーターとして活用できます、つまりさらにスキャンニングしてデーターにする必要がないのです。一段階省略されている。このぶん鮮明であろうというわけです。また、フィルム撮影では、現像所に要する時間、おおよそ2~3時間、時にはそれ以上の時間をテストフィルムが出来あがってくるまで待ち続けなければならない。撮影中であればなおさらですが、撮影終了後に現像出しする時間も馬鹿には出来ませんし、あがってくるまでが緊張ものでしたね。「最近は、写真があがってくるまでの、どきどき感にかけますね」とは、あくまでカメラマン以外のスタッフ、デザイナー、ADの発言でしょう。
最後に、デジタル写真の特徴と言えばその場で写真に手を加えられることです。これは積極的な意味での行為であって、撮影の不備を補うものではありません、またそのように使わなければいけません。あくまで「写真」です。真を写す行為でなければ成りません。しかし、完璧な写真を仕上げる事も大切ですが、その日の仕事の流れも気にしなければ成りません。お客さまもあまりの長い間立ち会っているのも苦痛なはずです。撮影を楽しんで頂くためには、適度な早さも必要です。限られた時間の中でより良いものを提供する。そのために、照明やセットを予測できる範囲で省略して、あとで必要な要素を修正、加筆することも、撮影の一部であると思うようになりました。いままでは決して人前ではお見せしなかった修正技術も必要に応じてお客さまの面前で披露しています。パフォーマンスも含めすべてお客さまに楽しんでいただければと思っています。商品自体の不備、例えば傷があったり、一部壊れていたり、色が間違っていたりして、そのために後日再撮と言うことにならないためにも、シャッターを切った後の「撮影」も、技術のなせる業と自らに言い聞かせているしだいです。撮影のイメージを十分つかんだ上で、求められる写真のために最高のパフォーマンスを発揮することも、大切な事ではないでしょうか。